2008年 09月 17日
佐藤 司とアルベルト・ジャコメッティ |
父親が画家だったことも手伝い幼い頃から芸術に親しみ21才の時フランスに渡り
パリで生活数年後シュールレアリズム運動のアンドレ・ブルトン(著書 ナジャ等)や
実存主義の哲学者ジャン・ポール・サルトル等に支持され表舞台に登場する。
さらなる国際的な名声を決定づけることになったのは、1956年ヴェネツィア・ビエンナーレに参加して制作された「ヴェニスの女(フランス語:Femme de Venise)」シリーズで、後年(1962年)には再びヴェネツィア・ビエンナーレで大きく取り上げられるとともに、彫刻部門のグランプリを受賞しています
彫刻と絵画の双方を通じ、ジャコメッティがわき目もふらず取り組み続けたのは、人物を「見えるがままに」表そうという、単純なようで実は不可能に近い試みだったと言います。
体全体は細い棒のようにつくられてるのに足だけは馬鹿デカイ。孤立したはかなげな人間ではあるが、それでも生きていかなければならない現実をこの大きな足で表現しているのであろうか
と思わせる。
先日の日曜日私は豊橋市東郷町の「仙壽山 全久院」で開催されていた「佐藤 司 没後二十年展」へと足を運んだ。
作品集で彼の確かなデッサン力と透徹した観察力と表現力の並々ならぬものを感じていた
のだが第一会場に入った時何故かアルベルト・ジャコメッティの名が突然去来した。
そして第二会場の本堂に入った瞬間全身鳥肌が立った。
なんと言う事だ。31体の黒陶作品が「魂」を吹き込まれ一斉に読経しているではないか。
それは和音となって私に問いかけていた。
「はかない命だが精一杯生きているのか?」とそこにはジャコメッティと佐藤 司が確かに
いた。
そして色々なことが去来したが多くを語るまい、語れば語る程陳腐な自分が見えてくるから。
佐藤 司
1948年 愛知県豊橋市生まれ。
愛知県立芸術大学 大学院卒業 パンリアル美術協会入会
1988年9月5日 寂
by nadja442
| 2008-09-17 22:07
| art